久しぶりのブログとなりました。今回のお題は、「咳喘息と気管支喘息って何が違うの?喘息なのよ、何なのよ???」です。そもそも喘息とは??「そもそも喘息とは?」ということを患者様に説明する時、僕は「喘息とはアレルギー性の気管支炎だと思ってください」とお話しします。医学的な言い方をすると「喘息は気管支で好酸球性炎症が続く病気」で、ここでいう「好酸球性炎症」が「アレルギー性の炎症」ということです。アレルギー性の炎症が気管支に起こるとどうなるかというと、「気管支が様々な刺激に対して敏感に」なります(これを気道過敏性の亢進といいます)。例えば、・冷たい空気・寒暖差・唐辛子のような辛み・気圧の変化・ほこり、ハウスダストなどにより気道が刺激を受けて、気管支が発作的に狭くなってしまうのです(これを「気管支の攣縮」と言います)。この気管支が発作的に細くなってしまった状態が≒「喘息の発作」と呼ばれる状態です。じゃあ、咳喘息と気管支喘息の違いは??咳喘息と気管支喘息、どちらも同じ「喘息」です。違いは「症状、聴診所見の差」になると思います。咳喘息と気管支喘息の症状の差は「咳以外に喘鳴(ぜーぜー、ひゅーひゅーといった気管支狭窄による症状)があるかどうか?」「胸部聴診所見で気管支狭窄音が聴取されるかどうか?」といった点になると思います。「喘鳴の自覚がなく、聴診所見でも気管支狭窄音が聴取されない喘息」=「咳喘息」「咳以外に喘鳴の自覚があり、聴診所見でも気管支狭窄音が聴取される喘息」=「気管支喘息」といった区別になると思います。また、「咳喘息は気管支喘息の前段階」ということも言えるかもしれません。というのは、「咳喘息を放置すると30~40%のケースが気管支喘息に移行する」とも言われるからです。ただ、実際に患者様を拝見していて思うのは、「咳以外に喘鳴を自覚される方でも、聴診所見で気管支狭窄音が聴取されないケース」や、その逆の「咳のみが自覚症状だが、聴診所見で気管支狭窄音が聴取されるケース」もあるのが難しいところです。個人的には、咳喘息と気管支喘息の違いは「聴診所見で気管支狭窄音が聴取されるかどうか?」かなと思っています。ちなみに、胸部聴診の際には、必ず強制呼気をして頂き聴診することが大事です。僕はこの聴診は必ず行います。通常の呼吸では気管支狭窄音が聴取されなくても、「大きく息を吸って、思い切ってプーっと吐き出してください!!元気よく!!」と強制呼気をしてもらうと、息を吐く際に「ヒュー」、「ピュー、」「ゼー」といった気管支狭窄音が聴取され、診断に繋がるケースも多々あります。結局治療はどうなるの?結局のところ、咳喘息と気管支喘息の治療は同じです。「吸入ステロイド製剤を中心とした吸入療法」がメインとなります。吸入薬が処方されていても、「しっかりと吸入できていないケース」もあるので、その患者様個人個人にあった吸入薬を選択する必要があります。あとは、やはり大事なのは「治療を継続すること」です。症状がある時は、「症状を抑える≒発作時の治療」ですが、その後症状が落ち着いてきたら、「発作を起こさないようにする予防治療」になります。高血圧症や糖尿病など症状がなくても治療すべき疾患はあります。それは、ほっておいたら脳卒中や心筋梗塞などの重篤な病気の引き金になるからです。喘息も、怖い言い方になりますが、「喘息死」という言葉もあるように、重責発作では命の危機に陥る場合もあり得ます。このため、「しっかりと通院治療を続けること」がやはり大事だと思います。
そもそも喘息とは??
じゃあ、咳喘息と気管支喘息の違いは??
結局治療はどうなるの?