「長引く咳」の原因を突き止めて、治療を行っていく。
簡単なようで実は難しく、逆に聴診などで「あっ、この疾患」と分かる場合もあり、とても奥深いです。
当然胸部レントゲンを撮影し、緊急性・重篤な疾患の有無をチェックするのが第一歩ですが、
「胸部レントゲンでは異常なし」
というパターンが多い印象もあります。
「レントゲン異常なし」
だった場合、
「咳のでる時間帯は?」
「これまで同じようなエピソードはなかったか?」
「これまでどういった治療が効果があったか?」
「季節による差は?」
といった問診で鑑別を絞っていくのですが、やはり難しいことが多いです。
そんな中、とても有効な検査が
「呼気一酸化窒素(NO)測定」
です!
この子供が持ってるとても手軽な機器が
「NO breath」
という呼気NO測定器です。
長引く咳の原因としては
・気管支喘息
・咳喘息
が多くなってきますが、これらの疾患では「アレルギー性気管支炎」が起こっている状態です。アレルギーに深く関与する「好酸球」という白血球の仲間が絡んでくる炎症なのですが、その好酸球が絡んでくる炎症が気管支に存在していると、
「吐いた息の中の一酸化窒素(NO)濃度が上昇」
するのです。
この「呼気NO検査」が行われはじめたばかりの時は、「検査用の袋に息を吐きこんでもらい、検査室に持っていく」という手間がかかりましたが、今では、写真のようにとてもコンパクトになりました。
あくまでも個人的な意見ですが、この「呼気NO測定」が簡便に行えるようになってから、「長引く咳の原因診断」はかなり行いやすくなったと思いますし、
「喘息と診断されていなかった「隠れ喘息」の患者さんの診断・治療」
「喘息の治療効果判定」
などにも役立つ検査なので、非常に重宝しています。
当クリニックでも当然行える検査ですので、「長引く咳」でお困りの方や喘息治療を受けている方のお役に立てればと思います。