荒田八幡-せきと呼吸と内科のクリニック|呼吸器内科・内科

荒田八幡-せきと呼吸と内科のクリニック|呼吸器内科・一般内科

糖尿病

・血糖=グルコースは体になくてはならないものです。血糖値が低くなる低血糖状態は重篤になると意識障害、昏睡状態となり死亡することもあり得ます。かといって、血糖値も高ければいいという訳ではありません。

健康な人の血糖値は食事の前の空腹時で70~110mg/dlぐらいです。食事をとり、胃腸で食べ物を消化吸収し、ブドウ糖が血液の中に入ってくると、血糖値は高くなります。しかしそれでも、上限は140mg/dlぐらいです。血糖値がこれよりも高い状態を「高血糖」といいます。そして、その高血糖が続いている状態が、糖尿病です。

この血糖値のコントロールを行っているのが、すい臓から分泌される「インシュリン」というホルモンです。糖尿病は「三大合併症」といわれるものがあり、「糖尿病性腎症(人工透析の原因疾患第一位)」、「糖尿病性網膜症(失明することもあります)」、「糖尿病性神経障害」の合併に注意が必要です。

・「糖尿病が強く疑われる者」は約1,000 万人とされ、「糖尿病が強く疑われるひと」の割合は、12.1%であり、男女別にみると男性16.3%、女性9.3%です。健診などで診断される場合など自覚症状がないことも多いですが、口の渇き、倦怠感、体重減少、重症例では意識障害、昏睡に至り救急搬送され、それが元で診断される場合もあります。

また、もともとインシュリンの分泌が悪い体質の方もいらっしゃり、そのような体質の方は「I型糖尿病」と診断され、インシュリン補充療法の絶対的適応となります。それ以外の肥満などが原因の糖尿病は「II型糖尿病」と診断されます。また、糖尿病予備軍の方たちは「糖尿病型」「境界型」と診断されます。

・診断は、血糖値(空腹時、食後2時間、随時)、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー:採血した時点から過去1~2か月の血糖値の平均値と関連する検査値)の2項目を組み合わせて、フローチャートに沿って診断を行います。

・治療は生活習慣の改善が第一です。食事療法(カロリー減、バランスよい食事)や運動療法を行い、肥満がある場合は減量を行うことが重要です。そういった食事療法、運動療法を行いながら、必要があれば内服薬などの薬物療法を行っていきます。糖尿病治療の内服薬も多数ありますが、患者さんの背景に合わせて選択していきます。

ただし、内服療法にも限界があります。その際はインシュリン補充療法が必要になります。こういった場合、専門医の先生に助言して頂きながら治療を継続していくことになります。また、内服・インシュリン補充療法のいずれでも注意しなければならないのが、「薬剤性低血糖」です。空腹感、手足のしびれ、生あくび、ボーッとする感じなどがあり、意識消失を起こすこともあります。こういったことを防ぐために、糖尿病の薬剤治療を受けている方は、甘いものを携帯しておく必要があります。

この低血糖症状、一度経験すると忘れません。かくいう私は糖尿病ではありませんが、かなりハードな部活動後に典型的な低血糖症状を経験したことがあります。意識消失まで経験しましたが、周囲が皆医学部生であったのが救いでした。 
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