荒田八幡-せきと呼吸と内科のクリニック|呼吸器内科・内科

荒田八幡-せきと呼吸と内科のクリニック|呼吸器内科・一般内科

脂質異常症(高脂血症)

・以前はもっぱら「高脂血症」と呼ばれていましたが、2007年から「脂質異常症」の名称に変更となりました。それは、「善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールが低いと脳卒中や冠動脈疾患のリスクが高くなる」ということから、「脂質異常症」と名称が変更されました。

「脂質」といっても様々な種類があるのですが、脂質異常症で対象となるのは、
「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)」、「HDLコレステロール(善玉コレステロール)」、「中性脂肪(トリグリセライド:TG)」になり、それぞれ「高LDLコレステロール血症」、「低HDLコレステロール血症」、「低HDLコレステロール血症」「高TG血症」が問題となります。脂質異常症とは、いずれも空腹時の採血結果で、LDLコレステロール:140㎎/dl以上、HDLコレステロール:40mg/dl以下、中性脂肪:150mg/dl以上であった場合に診断に至ります。

・厚生労働省が3年ごとに実施している「患者調査」の平成29年(2017)調査によると、脂質異常症の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は、220万5,000人でした。性別では、男性63万9,000人、女性156万5,000人で、女性は男性の2.4倍も多い結果となりました。女性では、高血圧に次いで、「外来治療している疾患」の第2位にあがっています。

・脂質異常症では、症状があることはまずありません。健診などで異常を指摘されることがほとんどです。ただ、症状がないから放置しておいていいということはありません。高血圧症同様、放置することで動脈硬化が進行することに繋がります。

・治療は、やはり生活習慣病のひとつですので、生活習慣の改善が第一です。食事療法、運動療法、また禁煙も重要です。禁煙はそれだけで動脈硬化の原因にもなりますし、低HDLコレステロール血症の原因ともなります。運動は、ちょっときついけど継続できるといった強度の運動を1日30分は行うようにします(できれば毎日)。

生活習慣の改善だけでは改善が認められないようなら、生活習慣改善に加えて、内服治療も併用します。内服薬も多数あり、患者さんの背景など(合併症や既往症など)を考慮しながら、薬剤を選択していきます。高LDLコレステロール血症については、合併症や既往症、年齢などにより治療目標は変わります。例えば、心筋梗塞や狭心症の既往がある場合は、LDLコレステロール:100㎎/dl未満とかなり厳密なコントロールが必要とされます。

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