荒田八幡-せきと呼吸と内科のクリニック|呼吸器内科・内科

荒田八幡-せきと呼吸と内科のクリニック|呼吸器内科・一般内科

咳喘息

・「長引く咳」の欄でも書きましたが、胸部レントゲン検査で異常な所見がなく長引く咳(慢性咳嗽)の原因としては、日本でもかなりの頻度を占めます。「どんな病気か?」ですが、「喘息」と名前がついている通り、「慢性のアレルギー性気管支炎」が起こっている状態です。このため、気道が敏感になってしまい、いろんな刺激によって気管が軽く攣縮(けいれんして細くなる状態)してしまい、症状として咳がでる状態です。風邪を引いた後や季節の変わりめに咳が長く続くということが診断につながるきっかけにもなります。

・気管支喘息と同様に咳は明け方や会話中に出ることが多いです。また、気管支喘息との違いとしては、自覚症状の違いもありますが、「咳喘息は気管支喘息の前状態」でもあります。つまり、放置しておくと「気管支喘息になってしまう」可能性がある状態です。咳喘息を放置すると30~40%の患者さんは「気管支喘息」へと移行してしまうと言われています。

・診断は、気管支喘息とほぼ同様です。ただ、聴診では気管支喘息で聴取される「気管支狭窄音」が聴取できることはありません。また、呼吸機能検査でも異常を認めないことも多く、軽度変化を認める程度です。その他、気管支のアレルギー性炎症をみるための呼気中一酸化窒素濃度測定、血液検査によるアレルギー検査を行っていきます。当然、他疾患の除外のため、胸部レントゲン撮影も行います。

・治療ですが、喘息ですので通常の咳止めは効果がありません。気管支喘息と同様に気管支拡張薬の効果が認められます。ただし、放置することで将来気管支喘息へ移行していますことを予防することが必要ですので、診断当初から、気管支喘息と同様に吸入ステロイド剤などを中心とした治療を行うことが必要です。また、気管支喘息と同様に、症状がなくなっても丹念に治療を継続していく必要があります(症状がなくなっても数カ月)。突然の休薬・断薬は避けましょう。

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